日本語教師が使う教科書ってどんなものをイメージしますか?

私たちが小学校や中学校で使っていた国語のようなものでしょうか。

今回は日本語教師が学校で使う教科書を紹介します。


教科書のタイプ

教科書といっても実は色々なタイプがあります。

その中でも「話す」・「聞く」・「読む」・「書く」の4技能を身につけることができる教科書を「総合テキスト」と呼びます。

日本語教師の方は学校で、この総合テキストを使って授業を進めることになります。(授業中にメインで使う教材を「主教材」と言います。)

しかし、総合テキストだけでは練習が足りなかったり、教科書によっては学習項目が不足していたりしますね。

ですから、練習問題の本を使ったり、他の総合テキストと併せて授業を行います。(授業中に補足として使う教材を「副教材」と言います)

それでは、今回は日本語学校で使われる総合テキストにはどんなものがあるのか見てみましょう。

日本語教師が使う総合テキスト

みんなの日本語

日本語教師が使う総合テキストは学校により様々ですが、今でも最も人気があるテキストは「みんなの日本語」でしょう。

一般成人を対象とした教科書で、まず文型を中心に指導し、そして教えた文型を使って文を作る練習や最終的には会話へとつなげていきます。

各国の国の言葉で翻訳されていて、日本国内のみならず、世界中の学校でかなりのシェアを誇っています。

指導する文型の順番は「私はアメリカ人です」といった簡単な文型から始まり、少しずつ難易度があがっていきます。(少しずつレベルがあがっていく指導法を「スモールステップ」と言います。)

総合テキストだけでは、練習が十分とは言えませんが、文法、聴解、漢字の問題集、教え方の手引きなど関連教材がかなり充実しているので、初めて日本語を教える人にも使いやすいです。

げんき 初級日本語

国内の日本語学校では、「みんなの日本語」を使う学校が多いですが、海外の日本語では、この「げんき 初級日本語」が人気があります。

こちらも「みんなの日本語」と同様に文型中心の総合テキストですが、英語で説明が詳しく書かれているので、独学も可能です。

また、外国人の日本語教師の方は「間接法」で日本語を教えることが多いので、みんなの日本語よりもこちらの教科書の方が好まれる傾向にあります。

教科書で使われるイラストは「みんなの日本語」よりも可愛らしく、私はこちらの教科書の方が好きです。

問題集も販売されており、この教科書だけでも、初級日本語を十分に学ぶことが可能です。

しかし、JLTPの文型を全て網羅しているわけではないので、JLPT合格を目的としている方は副教材としてJLPTに関連する教材でも勉強した方がいいでしょう。

できる日本語

最近、国内で注目されつつある新しいタイプの総合テキストです。

できる日本語は先ほど紹介した「みんなの日本語」、「げんき」とは少し構成が違います。

「みんなの日本語」と「げんき」は文型を学習してから、会話へとつなげる指導方で日本語を教えます。(文型シラバス

一方で「できる日本語」は、まず学生にシチューションを与えて、チャレンジさせます。それからそのシチューションではどんな日本語、文型が使われるのかを指導します。(場面・タスクシラバス

ですから、最初に文型を教えるといったことはしません。

また、シチュエーションを示してから文型することになるので、どういった場面でその文型が使われるか記憶に残りやすく、最近、国内の日本語学校で人気が出てきています。

まるごと 日本のことばと文化

「まるごと 日本のことばと文化」は国際交流基金が開発した教科書で、海外の日本語教師・学習者向けに作られた本です。

こちらも「できる日本語」と同様に「場面・タスクシラバス」が採用されているため、まずは学生にやってみさせて、それから文型を導入するという流れです。

他の教科書では日本で学習する日本語学習者向けに作られている場合あり、場面によっては海外の学習者に教えにくいこともあります。

一方でこちらの教科書は、海外の日本語教師・学習者向けに作られているので、海外で日本語を教える場合はかなり使いやすいです。

しかし、「できる日本語」や「まるごと 日本のことばと文化」で日本語を教える場合は英語や媒介語を使いながら進めないと、授業の進行が難しいので、英語、媒介語で授業を進行できるだけの語学力が必要になります。

ですから、間接法で教えるのが苦手という先生は文型シラバスの教材を中心に授業を進めながら、会話トレーニングとして「できる日本語」や「まるごと」を使うなど両方の教材をうまく使いながら授業を進めると良い授業ができると思います。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

今回は日本語教師が使う教科書について紹介しました。

他にも有名な教材はありますが、日本語教師に興味があるかた、これから日本語教師になろうと思っている方は、まず、今日紹介した4つの教材をチェックしてみてください。

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