みなさん、日本語学習が毎年、受験するテスト「JLPT」ってご存知ですか。
今回はこのJLPTについて紹介します。
JLPTとは?
JLTPは"Japanese Language Proficiency Test"の略称で日本語では「日本語能力試験」と言います。
このテストでは日本語を母語としない人の日本語能力を測定するために毎年7月と12月に国際交流基金と日本国際教育支援協会が共催で実施しています。
1984年から開始されたこのテストですが、当時は7000人ほどの受験者しかいませんでした。しかし、日本語学習者の増加とともに、今では毎年、数百万人もの人が受験しています。
試験開催地は日本国内のみ47都道府県のみならず、今では世界80カ国で行われ、かなり規模が大きくなってきています。
学習者の受験理由は進学のため、就職のため、スキルアップのためなど様々です。
JLPTの5つのレベル
JLPTは難易度に応じて5つのレベルに分類されます。
一番やさしいレベルがN5、一番難しいレベルがN1です。
それぞれの試験を合格するために必要な日本語のレベルは、以下のように「認定の目安」として公式サイトに書かれています。
N3レベルの日本語能力があれば、日常的な会話には困らず、日本で日本語を使って生活できるレベルです。将来、日本で仕事をしたいという人はN2やN1レベル相当の日本語運用能力が必要です。
レベル |
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---|---|
N1 | 幅広い場面で使われる日本語を理解することができる
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N2 | 日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる
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N3 | 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる
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N4 | 基本的な日本語を理解することができる
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N5 | 基本的な日本語をある程度理解することができる
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出典:https://www.jlpt.jp/about/levelsummary.html
JLPTの試験項目は?
試験科目と時間は以下のようになります。
JLPTのレベル | 試験科目 | ||
---|---|---|---|
N1 | 言語知識(文字・語彙・文法)・読解 110分 | 聴解 60分 | |
N2 | 言語知識(文字・語彙・文法)・読解 105分 | 聴解 50分 | |
N3 | 言語知識(文字・語彙) 30分 | 言語知識(文法)・読解 70分 | 聴解 40分 |
N4 | 言語知識(文字・語彙) 30分 | 言語知識(文法)・読解 60分 | 聴解 35分 |
N5 | 言語知識(文字・語彙) 25分 | 言語知識(文法)・読解 50分 | 聴解 30分 |
試験は全てマーク式です。
言語知識(文字・語彙)では漢字の読み方・書き方として正しいものを選ばせたり、空欄に入る言葉などを選ぶ問題があります。
文法の問題では、正しい文法を選ばせたり、文章の並べ変え問題などがあります。
上の表からわかる通り、テストのレベルがごとに試験時間も長くなっています。また、N1とN2では、言語知識と読解が1つの試験になっています。
JLPTの問題点
JLPTは日本語学習者の日本語能力を測定するためのテストですが、この試験では会話の試験がありません。
ですから、スピーキングの能力を測ることができないので、中にはJLPTに合格したけど会話が全くできないという学習者も多いです。
特に海外では、あまり日本語能力が高くない現地の先生が日本語を教えて学校も多く、間接法で文法中心に教えている学校も多数あるので、そういった学校では、どうしても会話のトレーニングが疎かになってしまったり、JLPTに合格するための勉強ばかりになってしまうこともあります。
一人一人の会話テストをするのは、さすがに人数が多すぎるため不可能ですが、何かしらの対策が必要だと思います。
さいごに
今回は日本語学習者が受けるテスト「JLPT」の紹介をしました。
JLPTというものがどういった試験なのかわかりましたか。
日本語教師の方は、JLPTを受験することはありませんが、日本語を教えることになるので、JLPTがどういったものなのか、それぞれのレベルでの日本語能力はどのようなものなのか、把握しておく必要があります。
知らなかったという人は、ざっくりでいいので概要を理解しておきましょう。
なお、実際に試験問題を見てみたいという方は公式問題集も出版されているので、こちらの本をチェックしてみてください。