日本語教師を目指している方であれば、養成講座の講師の方や現役日本語教師の方から、「日本語教師の仕事はかなり忙しいよ」といった話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
まだ日本語教師として教壇に立ったことが無い人なら「本当に忙しいの?」と疑問に思うかもしれませんが、本当に忙しいです。
特に新米教師の頃は右も左もわからない状態でスタートしますから、やらなければならないことがたくさんあって、肉体的にも精神的にも負担が大きいです
そこで今回は「日本語教師になってから慌てないように準備しておくこと」というテーマでお話します。
日本語教師の仕事はどうして忙しいのか
そもそも、日本語教師はどうして忙しいのでしょうか。
以前「日本語を教えるだけじゃない?日本語教師の仕事を紹介します」で書きましたが、日本語教師の仕事は日本語を教えるだけではなく、練習教材を作ったり、出席管理、成績評価などしなければならないことがたくさんあるからです。
非常勤講師からスタートするので、あれば全ての仕事を受け持つことはないと思いますが、右も左もわからない状態で仕事をスタートすると苦労することになります。
では、養成講座や大学で日本語を勉強している人が日本語教師になった時に出来るだけ負担を減らすにはどんな準備が必要なのでしょうか。
日本語教師になる前に準備しておくこと
結論から言うと、「教案」と「教具」です。
理由は新米日本語教師が、最も苦労するのが「授業準備」だからです。
ベテランの方であれば、過去に作った教案・教具を使い回せますし、実際に教団に立って教えた経験があるので授業の進め方・時間配分などがだいたいわかります。
しかし、新米日本語教師の場合は教案・教具がないので、1から準備する必要がありますし、「導入にどの程度時間を使うのか」、「練習ではどういった練習をするのか」など綿密に計画しないと「授業が全然進まなかった」、「時間が余ってしまった」といった失敗をしてしまうかもしれません。
また、この準備作業は非常勤として働く場合、無給であることが多いので、それなら今のうちに準備を始めておいた方が良いでしょう。
もちろん音声学や評価法など養成講座で勉強していることも大切ですが、それらは講義の中でしっかりと勉強しつつ、講義が終わった後や週末の空き時間などを利用して教案・教具の準備を始めるといいと思います。
どの教科書で教案を考えれば良いのか
これまで「みんなの日本語」、「げんき」、「できる日本語」、「まるごと」など多くの教科書が登場しました。
昔でしたら、この中で「みんなの日本語」を使っている学校が大半でしたが、最近では「文型シラバス」よりも「タスクシラバス」が注目されつつあるので、「できる日本語」や「まるごと」を採用する学校も増えてきましたし、今後も増えていくと思います。
では、どの教科書をベースに教案を作れば良いのかと言うと、やっぱり新米の方には「みんなの日本語」をおすすめします。
理由としては、今でも多くの日本語学校で使用されている教科書であること、教え方の手引きが他の教科書よりも詳しく書かれていることなどが挙げられます。
また、タスク中心の教材の場合、媒介語を使いながら授業を進めていくことになるので、英語に自身がない方であれば、教案を作って練習するのは難しいと思います。
ですから、定番の教科書ではありますが「みんなの日本語」で日本語の教え方を一通り研究し、それが終わったら、横展開として「できる日本語」や「まるごと」など他の教材を使った教案を作ってみるといいと思います。
最後に
今回は「日本語教師になってから慌てないように準備しておくこと」というテーマでお話しました。
これから日本語教師になろうと思っている人は今日からでも教案作りを始めてみてはいかがでしょうか。